【実演販売、トマト調味料、黒い白鳥から学ぶ】ケチャップの謎 [読書感想]
おすすめ平均
天才達が、何を、どのように考えているか、を、垣間見る
かなり久々の更新です。前回のクーリエジャポンに引き続き、レビュープラスさんからの献本です。アザスm(*_ _)m
献本いただいたのは、3章まででしたので、その点ご了承願います。
【内容説明】(by amazon)
本書のテーマは「Minor Genius」。
一見小さな世界で、世界を変えるほどの大きな仕事をした人々の物語です。
第1章 TVショッピングの王様
アメリカのキッチンを征服した男
第2章 ケチャップの謎
マスタードは十種類以上、なのにケチャップは、なぜ同じ味?
第3章 ブローイング・アップ(吹っ飛び)の経済学
ナシーム・タレブが壊滅的損失の不可避性(ブラックスワン)を投資戦略に転換させるまで
第4章 本当の髪の色
ヘアカラーと戦後アメリカの隠れた歴史
第5章 ジョン・ロックの誤解
避妊薬(ピル)の開発者が女性の健康について知らなかったこと
第6章 犬は何を見たのか?
カリスマ調教師 シーザー・ミランの“神業”
昨年のベストセラー『天才! 成功する人々の法則』でおなじみ、“アイデアの魔術師”ことマルコム・グラッドウェル。
『ニューヨーカー』誌掲載の歴史的名コラム6本を収録。
「グラッドウェル×勝間和代」のスーパー・プロジェクト第二弾!
【書き抜き】
p9 優れた文章かどうかは、人を説きつける力で決まるものではない。ともかくも、本書に掲載されたタイプの記事はそうではない。優れた文章かどうかは、読む者を引きずりこみ、何かを考えさせ、誰かの頭の中を垣間見せる力によって決まる――たとえ読んだあとに、その誰かの頭の中があまり居たくない場所だったとしても、だ。
確かに、いくら文章の構成、内容が優れていても、何かコレってくるものがないとね。
p71 モスコウィッツが会社を立ち上げたのは一九七〇年代のこと。初期のクライアントの中にペプシがいた。当時、人工甘味料のアスパルテームが手に入りはじめ、同社はダイエットペプシひと缶に最適なアスパルテームの量を知りたがっていた。
ここは、TED Conference でグラッドウェルさん講義?トーク?がそのまんまされてるので、リンク貼っておきます。このトークは本著「第2章 ケチャップの謎」に書かれている内容の一部がグラッドウェルさん本人によりそのまま話されているので、本書購入に悩まれている方は見てから検討してみてはいかが?また、TED Conference は、ボランディアによって、日本語訳もされてたりするので、英語の勉強にも最適!!
・TED Conference 「Malcolm Gladwell on spaghetti sauce」
p86 ケチャップをその構成要素ごとに分析したあと、鑑定人は「振幅」と呼ばれる重要な項目を評価した。振幅とは官能分析のプロがよく使う言葉で、良く調和し、バランスの取れた風味が日のなかで「花開く」ことを表す。(中略)「コカ・コーラやペプシは何と言っても見事です」。ニュージャージー州チャタムにある、センサリー・スペクトラム社の副社長ジュディ。ヘイルマンが解説する。「どちらも美しい音色です。つまり風味のバランスが絶妙なんです。あれだけのバランスを実現するのは非常に難しい。
p97 タレブにとつて、金融市場でなぜその人間が成功するのかは厄介な問題だった。こんな暗算が成り立つ。世間に一万人の投資マネジャーがいるとする。これは、それほど的外れな数字でもない。毎年、その半数がまったくの偶然によってカネを稼ぎ、あとの半数がまったくの偶然によってカネを失うとする。その年、損失を出した者は駆逐され、残った者だけでゲームが再開される。すると五年後には三一二人が、 一〇年後には、わずか九人がまったくの偶然によって勝ち続けた者として生き残る。
p103 エンピリカの投資戦略は、きわめて独特なオプション取引だ。 一言で言えば、「オプションのみ、それも買い専門」である。
p120 ミッセルのビデオには、六歳児たちがクッキーを見つめ、待つために自分自身をなだめる様子が収められていた。(中略)テープは幼児が規律と自制、つまり衝動を抑制するための方法を身につけはじめる様子を映し出しており、幼児たちが懸命に気を紛らわせようとしているその姿を見たとき、私はある事実にはっと気づいた。子どもたちは、まさにナシーム・タレブそのものなのだ!タレブの意志の固さを、縁起をかつぐ病的な癖やシステム、自分を否定するような発言以上に説明するものがある。
p127 このような慎重さはもちろん、英雄的には映らない。会計士や日曜学校の教師のような生真面目さ、用心深さを連想させる。事実、世間は″この世のニーダーホッフアーたち″に惹かれる。なぜなら、誰もがみんな基本的にはニーダーホソフアーなのだから。
【感想】
1章は、キッチン用品を実演販売するポピール及びその一族に関する話、2章はケチャップ、スパゲッティソースからわかる人間の味覚に関する不思議、3章はブラックスワンの著者ナシーム・ニコラス・タレブを投資家ニーダーホッファーと対比した人物観察、といった感じになっている。
ジブン一番印象に残ってるのは、1章が一番印象に残った。これはなぜか?なんでだろう?2章(TEDの講義で大体知ってた)、3章(ブラックスワンでタレブ節を経験済みだった)より新鮮だったからか?書き抜きし辛かったからか?なんかわからんけど、これが一番きてる、ジブンには。そう、それこそ、冒頭P9の書き抜き読む者を引きずりこみ、何かを考えさせ、誰かの頭の中を垣間見せる力によるのかもしれない。
1章は、アメリカの実演販売人(ピッチマンというらしい)の話だけど、まぁ、日本で言えばジャパネット高田の高田社長みたいなもんかなぁ?まぁ、製品を自社というか自分で作って、それを販売してる点がちがうな。っで、実演販売の極意、いかに製品を魅力的に見せて、客を惹きつけるかetc・・・が、ロン・ポピールとその一族の話を通しながら綴られている。この1章を読んで、今後邦訳本を読むことが増えそうだ、むしろ、洋書が読みたくなった。
本書は、第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)や天才! 成功する人々の法則同様、情報の安売りをするハウツー本なんかと違い、いろんな物の見方を発見させてくれる。安易なハウツー本、自己啓発本に飽き飽きしている人は読んでみては?
【編集後記】
本著は、冒頭のAmazon内容紹介にあったように、天才! 成功する人々の法則 に続き、グラッドウェルさんと勝間さんタッグの第二弾だけど、そういえば、先日勝間さんが出された不幸になる生き方 のamazonレビューが星1と星5の両極端だったので、それについてつぶやいたら、勝間さん本人から応答(初)があり、驚いた(;°д°)
nikabeni : この賛否両論がものすごいのが勝間本の特徴か?星5つは信者のみ?Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: 不幸になる生き方 (集英社新書) http://amzn.to/9LP472 5:15pm, Jun 30 from Web
kazuyo_k : @nikabeni いえ、今回は普通にみなさん、読んでいます。mixiのレビューとか、まともです。あとはこちらもどうぞ。http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2010/06/post-22ed.html 5:24pm, Jun 30 from Web
今回はと言ってるのがちょっと気になるけどww、まぁ、リアル書店では、本人周辺いわく、在庫切れらしいが、フツーにAmaとか楽天には在庫あんのになぁφ(=_= )ハテ? 。リアル書店では、期待してなくて発注少なくしといたら、予想以上に売れたってことかなぁ?(新書だから、手にとった人が、安いし買うかぁーって感じで売れてんのかもしれんな。)ジブンは買わんけどね。だって、この本も最近の勝間本に引き続き、404の小飼さんもMM読書感想のsmoothさんも書評はスルーしてるし、ビミョーなことはほぼ間違いないかと。
こんなDisり気味の編集後記はここらへんにして、久々の更新でしたが、今回も最後までよんでくれてありがとさん。(ちなみに、ジブンは勝間本はケッコ読んでる、図書館で借りてね。あっ、目立つ力だけ買ったワ)
おすすめ平均
著者の姿勢こそ「不幸な生き方」そのものではないのか ?
本音
読者レビューを意識し過ぎでは!
内容自体はいうほど悪くはない。ただし
本書こそ「不幸な生き方」のはじまり
おすすめ平均
めった斬りがもっと読みたい!
新書への新たな好奇心がわいてくる そんな本です
「新書がベスト」という本がベスト新書から出ていることがすごい
生き残るためには独自の「知の体系」を作ること。
本の読み方、文章の書き方を変える書
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